会長挨拶

健康長寿と歩む機能性食品

 

この度、平成29年12月9日(土)から10日(日)の両日、東京慈恵会医科大学西新橋キャンパスにて、第15回日本機能性食品医用学会総会を開催させていただくことになりました。本学会は科学的研究を推進し、明らかな科学的「エビデンス」をともなう機能性食品の医用普及により、国民の健康増進ならびに生活習慣病の予防や改善に役立つことを願って設立されました。

「健康寿命」は介護を必要としない,健康で自立した生活を継続できている年月でありますが,平均寿命と健康寿命の間には約10年の差があります.これを縮めること,すなわち健康寿命を延伸させることで,健康長寿社会の実現が期待され,それは国民のための大切な課題になっています.かかる意味から,今回の学会のテーマは「健康長寿と歩む機能性食品」とさせていただきました.シンポジウムとしましては,「ポリフェノールの多彩な機能性を解き明かす」,「健康長寿に有用活用可能な沖縄・奄美伝統の機能性食品素材のエビデンス」,「健康長寿のためのビタミン摂取の重要性」,「腸内環境のマネジメントと健康長寿」,「CKD,腎機能低下と食事療法」などがプログラム委員の先生方によって企画いただきました.「機能性食品について考えている事-私見-」,「糖尿病における食事療法の新しい考え方」などの特別講演が予定されており,その他には,教育講演,一般演題(口演),共催セミナーなど多くのプログラムが企画されています.参加者の皆様および機能性食品の医用の発展において益多く,実行委員長の川浪大治先生,プログラム委員長の柳内秀勝先生,プログラム委員の禹済秦先生,岸本良美先生,下澤達雄先生,内藤祐二先生,中田浩二先生,松浦達也先生,矢澤一良先生に心より感謝いたします.

約380年前のこの12月に生を享けた貝原益軒が遺した養生訓のなかには、「医は仁術なり」について説かれていますが、そこには健康観として、「病にかかることの無い健康な生活を快く楽しむ」、「長寿を楽しむ」などがみられます。このような健康長寿には、医食同源の考えを背景に機能性食品の果たす役割は大きいと思われます。

本総会に多くの皆様がご参加いただき、「健康長寿と歩む機能性食品」について活発に議論されることを心より期待しております。

平成29年7月

第15回日本機能性食品医用学会総会
会長 吉田 博
(東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座 教授)