BOOK

bunshieiyougaku

新スタンダード栄養・食物シリーズ13
『分子栄養学 ―科学的根拠に基づく食理学―』

板倉弘重先・近藤和雄 編/B5判・256頁
2800円+税/2019年9月19日/東京化学同人 発行

本書は、分子栄養学を“食品あるいは食品成分と生体との相互作用の結果起こる現象を研究する科学(=食理学)”として一歩進め、食品成分が生体のどこでどのように作用するかを体系的に学ぶ新しい教科書である。食理学とは、薬理学の薬を食に置き換えた造語で,食品を科学的根拠に基づき薬のような感覚で取扱うことを想定している。
食理学総論に続いて、生体の器官系ごとに章を分け、それぞれに関連する食品成分を健常状態から疾病状態まで包括して取上げ、食品成分の体内動態と作用機序、バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)などについて学生向けにやさしく解説している。

<目 次>
第Ⅰ部食理学総論
1 食理学とは 近藤和雄
  1·1 食理学の概念/1·2 食理学の占める範囲/1·3 食理学のその先
2 消化と吸収 清水 誠
 2·1 消化器の構造と働き/2·2 消化の過程/2·3 吸収の仕組み/2·4 主要な栄養素の消化と吸収み
3 体内動態 岸本良美
 3·1 糖質/3·2 タンパク質·アミノ酸/3·3 脂質/3·4 ビタミン/3·5 ミネラル/3·6 カロテノイド/3·7 ポリフェノール(フラボノイド)
4 体質素因 板倉弘重 
 4·1 性·年齢の影響/4·2 遺伝子の変異と遺伝子多型/4·3 エピジェネティクス /4·4 ミトコンドリア/4·5 環境因子と生活習慣病のかかわり/4·6 分子栄養学の発展
第Ⅱ部 各病態にかかわる食品成分
5 循環器系に作用する食品成分 下澤達雄
 5·1 心臓と血管系の構造と機能/5·2 心不全にかかわる食品成分/5·3 虚血性心疾患にかかわる食品成分/5·4 高血圧にかかわる食品成分
6 代謝内分泌系に作用する食品成分
 6·1 糖尿病にかかわる食品成分 栁内秀勝/6·2 脂質異常症にかかわる食品成分 吉田博,松井貞子/6·3 肥満にかかわる食品成分 島袋充生/6·4 痛風·高尿酸血症にかかわる食品成分 寺脇博之/6·5 内分泌系に作用する食品成分 飯田薫子
7 消化器系に作用する食品成分 
 7·1 消化器のもつ機能 清水誠/7·2 消化器系の機能にかかわる食品成分/7·3 胃·腸の疾患にかかわる食品成分/7·4 肝臓と胆嚢の機能とそれにかかわる食品成分 小池和彦
8 腎·尿路系に作用する食品成分 菅野義彦
 8·1 腎臓の機能 / 8·2 腎機能にかかわる食品成分 / 8·3 利尿作用のある食品成分 / 8·4 排尿障害にかかわる食品成分 
9 脳·神経系に作用する食品成分
 9·1 脳に作用する食品成分 岡尚省,稲津正人/9·2 認知症·精神疾患にかかわる食品成分 岡尚省/9·3 血液脳関門の役割と食品成分 鳥居邦夫/9·4 眼にかかわる食品成分 北市伸義/9·5 味覚にかかわる食品成分 岡田晋治,三坂巧
10 免疫·炎症·アレルギーにかかわる食品成分 佐藤和人 
 10·1 免疫系とは/10·2 免疫増強とその作用のある食品成分/10·3 関節リウマチとそれにかかわる食品成分/10·4 アレルギーにかかわる食品成分/10·5 免疫·炎症·アレルギーと食品成分とのかかわり 
11 呼吸器系にかかわる食品成分 森田 寛,田口千恵
 11·1 呼吸器の機能とそれにかかわる食品成分/11·2 呼吸器疾患にかかわる食品成分 
12 血液にかかわる食品成分 樋園和仁 
 12·1 貧血にかかわる食品成分/12·2 凝固·線溶系,止血の仕組みとそれにかかわる食品成分/12·3 白血病およびその類縁疾患にかかわる食品成
13 骨に作用する食品成分
 13·1 骨代謝にかかわる食品成分 細井孝之/3·2 骨関節疾患にかかわる食品成分 長岡功
14 筋肉にかかわる食品成分 下村吉治
 14·1 筋肉の組成と機能およびそれにかかわる食品成分/14·2 サルコペニアとそれを予防·改善する食品成分/14·3 スポーツ栄養にかかわる食品成分
15 皮膚に作用する食品成分 市橋正光
 15·1 皮膚の構造と老化·光老化/15·2 皮膚に作用する食品成分
16 がんにかかわる食品成分 矢ヶ崎一三 
 16·1 がん細胞の特性/16·2 肝がん細胞の増殖と浸潤に対する食品成分の作用
17 女性器系に作用する食品成分/福岡秀興
 17·1 ビタミンDの産婦人科領域での意義/17·2 植物エストロゲン/17·3 月経前症候群とサプリメント
18 食品成分と薬の相互作用 高田龍平
 18·1 金属イオンとのキレート形成による腸管吸収低下/18·2 グレープフルーツによる薬物代謝酵素阻害/18·3 セント·ジョーンズ·ワートによる薬物代謝酵素誘導/18·4 ビタミンK含有食品とワルファリン/18·5 その他の相互作用

 


『栄養データはこう読む!』IMG

佐々木敏 著/335頁/2700円
/
日本女子栄養大学出版部

疫学研究から読み解くぶれない食べ方。
「和食」は本当に健康か?ダイエットは糖質か脂質か?
栄養健康情報はどこでゆがむか?
「根拠に基づく栄養学」がその問いに答えます。

(推薦者:宇都宮一典理事長)

 

 

 

 


*取り上げてほしい書籍を会員の皆さまから募集しております。